2025年2月12日(水)~14日(金)2泊3日で訪問してきました。今回の企画は、種子島沖ヶ浜田の黒糖生産現場を見学することを目的とし、最盛期のこの時期に伺いました。参加者は12名、山本伸司さんが小田原の協議会・NPO発足当時から関わった小田原の関係者、NPO法人小田原食とみどり団体会員から5名参加です。
2月12日(水)1日目
・羽田空港集合~鹿児島経由種子島へ ・種子島空港より島南部へ向かう
・名物のインギー鶏を使った昼食 ・とんみー市場でお買い物 ・種子島宇宙センター見学・広田遺跡見学・ホテルチェックイン後夕食(平八)会場に移動し、参加者交流
1日目は、超ハイテクの種子島宇宙センターとなぞ多き広田人について。2月2日にH3ロケットの打ち上げに成功したばかりで、あちこちにお祝いののぼり旗がひらめいていました。全長が63メートルで燃料は液体水素と液体酸素で打ち上げ1分後には時速約1,460kmまで到達し飛んで行き、15分後はつくば宇宙センターにコントロールが移るということでした。このような想像を超える宇宙に思いをはせた後に訪れた所は、弥生時代の広田人が集団で埋葬されていた広田遺跡でした。背が低いこと、後頭部が扁平であること、埋葬品からは貝でできた装飾品や子どもの墓からはガラス玉が出てきたことは分かっていますが、どこから来てなぜ消滅したかは謎のままだそうです。初日のこの2か所だけでも魅力を感じる場所でした。


・沖ヶ浜田の黒糖小屋での黒糖作りを見学 ・天女ヶ倉展望、天女ヶ倉神社、沖ヶ浜田神社 ・昼食 ・鉄砲館と西之表まち歩き ・種子島の課題 ・夕食会場に移動し、生産者との交流
2日目は、とても楽しみにしていた黒糖作りからでした。長いままのサトウキビから絞り出された汁が黒糖になるまでの行程を最初から最後まで見せていただきました。鍋で練り上げている途中で、ここでしか味わうことができない飴状の黒糖も試食させていただきました。格別です。
天女ヶ倉神社へバス移動しました。パワースポットということなので足場の悪い登坂をこわごわと登り、岩が重なってできた隙間を抜けてきました。ご利益がありますように。
はえの民宿でのランチの後は、種子島といえば鉄砲伝来と浮かびますが、鉄砲を作ったということにも注目ということです。その中でも苦労した点がネジということでした。ここにも物語があるようです。
今、種子島が抱えている問題は、軍事基地になろうとしている『宝の島馬毛島』ということで、Kaimi.coffeeのチャイラテをいただきながら、山内光典さん、広美さんからレクチャーを受けました。関東ではほとんど報道されていないように思います。しかしこれは地域課題ではなく5年後、10年後の日本全体のことを考えるべきこと。あわせて、魚が捕れなくなっている。マゲジカは生息できるのか。環境の点からも重要な事。一緒に考えなければいけない事として、投げかけられました。
2日目の夜交流会には、生産者4名と奥様1名が参加してくれました。皆さん移住した方です。種子島に惹かれ、山本ご夫妻と知り合い、仲間となり、仕事は楽しくなければと、笑顔あふれる皆さんでした。



2月14日(金)3日目
・スナップエンドウ農園 ・バナナ園 ・北部観光(ヘゴ自生群、喜志ヶ崎灯台等)・昼食 ・パッションフルーツ農園 ・サトウキビ刈り・植え付け体験 ・有機の茶畑見学・種子島空港 解散
3日目は、まずはサトウキビ栽培以外の生産者の皆さんを訪問しました。私にとってはヨン様ですと紹介してくれたご主人と二人で営む申 里美(しんさとみ)さんのスナップエンドウ農園。重さや大きさを揃えて指紋がつかないように収穫しているそうです。甘い甘いスナップエンドウでした。バナナ園は、サツマイモ作りに 貸していたそうですが、高齢なため返却された所でバナナ栽培を始めたそうです。数種類の品種を植えていましたが、今は枯れたように見えましたが、根元には新しい株が出ていました。パッションフルーツはハウス栽培でした。とてもきれいに整った畑で、主に口コミで販売されているそうです。松下製茶さんでは、有機の畑を見せてもらいました。4代目のお父さん、5代目の息子さんにお話を聞きましたが、有機を始めたのは息子さんがアレルギー体質だったからと話していました。家族経
営の小さな茶農家とおっしゃっていましたが、“無”農薬、“無”化学肥料、“無”除草剤で栽培されたお茶は貴重品です。どの方も生産物はお金を得るものというよりも、いかに納得のゆくものを作るかに努力されているように思いました。
最後になりましたが、ゆめのたねグループが有機のサトウキビを栽培している畑への訪問です。楽しい農業をモットーにしているミュージシャンの顔も持つヤブジュンさんが「ゆめのたね」の歌を披露してくれました。愛があふれ心に染みる歌でした。さて、作業は刈り取ってあるサトウキビを整える作業と黒糖作りで使用しない上部を4~5節にカットしたもの(種)の植え付けを行いました。もう一つ、特別にサトウキビからジュースを搾り、試飲をしました。ほとんどの参加者は初めての体験で、自然の甘さに感動しました。
黒糖づくりの見学とサトウキビ畑での体験を楽しみに訪れた種子島でしたが、広美さんの広い知識で種子島の名所旧跡を案内していただき、経験できないことも多くたくさんの思い出ができました。また、今回はマイクロバスでの移動で、みんなが同じ説明を聞けたこともとても良かったです。
暖かく向かい入れご案内いただいた山本伸司さん広美さんご夫妻、忙しい作業の合間に説明をいただいた生産者の皆さん、最後になりましたが企画・運営をしてくださったあったかキャッチボールの幹事・会計の皆さんに御礼を申し上げます。
余談:飛行機の整備が必要となり鹿児島からの整備士を待ち2時間遅れ。鹿児島~羽田線が定刻より25分遅れで対応してくれ、若干遅れで羽田着。離島の大変さを知りました。
報告 上田麻理子

